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炎立つ

個人的千秋楽が終わりました。ので、なぐり書き。


今回は8/23東京と9/14・15兵庫に行ったのだけど1回後ろよりのど真ん中で見れたから、ステージの奥行きの使い方や横の関係も結構面白かったから立ち位置を正面から確認できたのがよかった。赤い布は、アラハバキが眠って憎しみが封印されているときはキレイだけど開放されているあいだはボロボロ。白い布は死を表しているのかな?イエヒラ最期のシーンに効果音が追加された気がする。

キヨヒラ愛之助さんはさすが歌舞伎役者!で、声のメリハリ?使い分け?がすごかった。2・3回地響きするんじゃないかと思うほどの声を出す場面があるのだけど、そこで毎回キュッと身が引き締まるというかものすごい緊張感が張り詰めてドキドキする感じが好きだった。
カサラ新妻さんの歌声は毎回鳥肌ものだったけど、特に兵庫楽日は素晴らしかったです。そんなに長い曲を歌うわけではないのに、あのほんの少しの歌声に感動。
イエヒラ健くんは、健くんじゃなかった。何を言ってるの?って自分でも思うけど、健くんはどこにもいなくてイエヒラだった。胸を張って上半身を開いて立っている姿は今までに見たことがないものですごく大きく見えたし、歩き方や所作が本当に別人だった。発声も、最初は喉つぶすんじゃないかと思ったけど残り2公演となった今でもしっかり出ていたし、先月みたときよりもさらにパワーアップしたように感じた。アラハバキに操られてひとりで跳んだりまわったりするところは何度観ても身軽でさすが。そして最期のシーンは圧巻で、搾り出すようなあの台詞と表情・・・少し恐ろしく感じてしまうほどの演技に今日は泣いた。

3万の兵を集めても、脅すだけでは導くことなんてできなくて名だけの頭領。魂売ってまでもがき続けたけれど最期は独りきりで、何故生まれた?何のために戦ってきたのか?と自問自答し、結局怖かっただけだと悟る。亡くなったあと、お母さんが迎えに来たときのあの憑き物がとれたような表情に、イエヒラは人間に戻れたのかな・・ほんの少しでも救われたのだろうか?と切なくなった。
イエヒラと母親ユウのシーンはどれも好きで、ユウは、唯一イエヒラが自分の意地や立場等を忘れて素になれる存在なんだろうなぁと思う。死後以外は素になる寸前でまた化け物に戻ってしまうのだけど。ね。
去年サムガ初日に速報が出てから、まだまだ先だと思ってたのにあっという間に終わってしまったなぁ。今回は観劇の間隔を少し空けたから、けんくんをはじめキャストのみなさんの演技がどんどん凄みを増していって、お芝居が成熟していく様を目の当たりにできる喜びを改めて感じられた気がする。
東京で初めて見たときは、正直イマイチだったしなんだかよくわからなかったっていう感想を書いた。3回観てもおはなし自体はやっぱり好みじゃないしあの単語はいらないけど、でも最後の演技をみたらできることなら岩手まで行ってもっと観たい!って思ったよ。

時代劇・2番手・地方巡業・実在する人物、健くんにとってたくさんの初めてが詰まった『炎立つ』。兵庫楽日カテコで愛之助さんのコメントにニッコリ笑った健くんをみて、「あー・・健くんだ( ;∀; )」って少しほっとした自分がいたけど、最後の幕が閉じるまで、イエヒラを全うしてきてください。

 

「幸いを受けるように 災いもまた受けるしか無いのです」

カサラのこの台詞が大好きでした。ありがとう。